バイトの洗い場体験 牛丼屋の裏側を学ぼう




「バイトの洗い場体験 牛丼屋の裏側を学ぼう:第十一話」「食器洗浄機の使い方 食洗機のコツと注意点:第十二話」を動画で見る

目次(小説)
牛丼屋のバイトの洗い場体験
「次は洗い場の仕事を説明するね♪」
店長の超人的な接客術を目の当たりにし、牛丼屋のバイトに若干の不安を抱きつつ洗い場へと移動した。そこにはおびただしい数の丼の山が出来上がっている。
シンクの右側には大型の食器洗浄機があり、その間には洗った食器を重ねる専用のトレーが置かれていた。シンクで一度洗った食器をトレーにためて、いっぱいになった所で、今度は食器洗浄機で再度洗浄&熱湯消毒をするといった流れになるようだ。牛丼屋の衛生管理の徹底さに感服する。
「洗い場はスピード命!でも洗い残しは絶対ダメ!縁・底・高台をしっかり目視しながら洗ってね。」
お手本にと、アルバイトの先輩の杉さんが食器を洗い始めた。そのあまりの速さに、彼女の手は千手観音のごとく複数の残像が見え、瞬く間に食器の山が消えていった。

「それじゃあ、私は少し店長の手伝いしてくるから、ここからは松野君お願いね♪」
あっけに取られている俺の横で、またもや『自分も出来る』と言わんばかりにキノコが腕を増やしていた。接客に続き、不安は上乗せになったが、意を決して俺は洗い場の仕事を開始した。
洗い場のバイトは地獄絵図だった
洗い場の仕事を任されてから、30分程が経過した。お昼時に近づき入店客が増え、退席しては次の客が座り、人の流れが一層早くなってきた。
あれから一度も手を休めることなく食器を洗っているが、一つ洗っては二つ洗い物が増え、二つ洗っては四つ増えと、あっと言う間に洗い物の山は再構築されてしまった。

「牛丼並盛一丁ありがとうございます!お後、大盛一丁!」
店内から次々にオーダーが入る声が聞こえる。このままのペースで注文が続いたら、丼が足りなくなってしまうのではないか?
『おい!牛丼まだ来ないのかよ!』
「え?」
ふいに罵声が聞こえたような気がしたが、店内はいたって正常に回っている。幻聴か?しかしこのままだと数分後に現実に起きる。
俺のせいでクレームが起きる?俺が牛丼屋でバイトを始めようなんて思ったから、店に迷惑をかけてしまう?増え続ける食器の山を前に、その場にいることが恥ずかしくなってくる。
逃げ出したい気持ちを抑え、無我夢中で食器を洗った。何がいけない?丁寧に洗いすぎなのか?それとも単にスピードが足りないのか?
「松野さん。ちょっといいですか?」
あまりの遅さに見かねたのか、後ろから店長に呼び止められる声がした。もしかして、もう洗い場の仕事クビなのだろうか?それともやっぱりバイト不採用とかー・・・
バイトの人達へ洗い場は怪我に注意!
「はい。深呼吸~うう」
大きく広げた腕を胸に当て、深呼吸のポーズをとっている店長がいた。即、戦力外通告を受ける覚悟をしていただけに、その行動は少し奇異に感じた。
「バイト初日なんです。いきなり完璧に出来る人なんていません。慌てず、焦らず、確実に一つ一つこなしていきましょう」
テンパっている自分に見かねたのか、敢えて優しい言葉をかけられるも、その優しさが残酷に感じてしまう。いっそのこと、はっきりダメ出ししてお客さんに迷惑がかかる前に交代して欲しいというのが本音だ。だが、店長は選手交代を告げることなく話を続けた。
「焦る気持ちはわかりますが、まずは落ち着いてください。あせって食器を割って、怪我をされてしまったらそれこそ惨事になってしまいます。」
そして店長は、おもむろに人差し指を天に向けた。
「それでは、一つだけ・・・洗い物が速くなる洗い場のコツをお教えしましょう」
それを早く言って欲しかったー・・・
著者情報
ペンネーム:たけだおうし
職業:Webデザイナー・ディレクター
職歴:牛丼屋の正社員→広告会社→Webコンサル(現在)
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