牛丼屋の違いを知ろう!各社の特長を比較

『牛丼屋で働こう』今回は牛丼屋の種類についてお話します。

と、いっても国内の主な牛丼チェーン店は3社なのでほとんどの人がご存じなのではと思います。ですが、3社とも主力商品は牛丼ですが、各社トッピングや定食メニューに力を入れて差別化を図っているので全く違う『牛丼屋』であると言っても過言ではないと思います。多分、共通しているのは牛丼の盛り付けくらいで(厳密に言えばよそり方も違う)、「吉野家で働いたことがあるから、松屋で働くのはラクショー」といったことにはならないと思います。

この記事では、牛丼各社の特長を、アルバイト社員を経験した視点と、牛丼屋の動向が気になって仕方がない牛丼マニアの視点でご説明していこうと思います。

チェックポイント

  • 出店店舗
  • メニュー
  • お客様の傾向
  • コラボ企画
  • 他社との比較
牛丼屋各社の比較
  1. 吉野家(株式会社吉野家ホールディングス)
  2. 松屋(株式会社松屋フーズホールディングス )
  3. すき家(株式会社 ゼンショーホールディングス)

吉野家(株式会社吉野家ホールディングス)

吉野家の牛丼

言わずと知れた牛丼屋の代名詞。創業120年と歴史ある会社でファンも多く「牛丼なら吉野家一択」というお客様もいるくらい。牛丼の丼ぶりも独特のデザイン(有田焼)で、以前「名前入りの丼ぶりプレゼント」のキャンペーンがあった際は、かなり条件が厳しい中も大勢の応募があったそうです。

私が初めて来店した20年くらい前は、『牛丼』『牛皿定食』くらいのメニューしかありませんでしたが、現在は『カレー』『焼肉丼(定食)』『うな重』など様々なメニューが増えました。時代の流れというか、牛丼だけでは勝ち残れないということでしょうか、吉野家のイメージも大分変化したように感じます。

吉野家の出店店舗

吉野家はビルドイン店舗(テナント型)店舗が多い傾向があります。駅構内であったり、雑居ビルの一角だったり10席~20席ほどと小規模の店舗が多いです。

吉野家のメニュー

  • 牛丼〇
  • カレー〇
  • 焼肉〇
  • ハンバーグ×
  • からあげ△(一部店舗のみ)
  • うなぎ〇
  • 焼き魚〇
  • 海鮮丼×
  • 麻婆豆腐×
  • 鍋△(期間限定)
  • デザート〇
  • お子様メニュー〇
  • お酒〇

店舗の大きさによってメニューの数はかなり変わってきます。駅付近のお客さんは短時間で食べたい人が多いので、焼肉だったり提供に時間のかかるメニューは始めから用意していないようです。

吉野家のお客様の傾向

圧倒的に男性客が多いです。近年、女性向けのヘルシーメニューやお子様メニューも増えてきていますが、あまり客層の変化はないように思われます。

吉野家のコラボ企画

星のカービィ、ウルトラマン、ポケモン、モンスターストライク、呪術廻戦、男塾など旬なコンテンツからコアなものまで、様々なコラボキャンペーンを行っています。

吉野家の他社との比較

あくまで主力商品は牛丼で、トッピングもそれほど多くないように思われます。主要客が20代~60代の男性客なので、ニーズに合った提供だとは思いますが。アルバイト視点で比較すると「まかない」がほぼ牛丼になるので物足りないかもしれません。ただ、コラボ企画が多いのでサブカル好きの人はモチベーションが大きく上がるのではないでしょうか?

松屋(株式会社松屋フーズホールディングス )

松屋の牛丼

牛丼屋としては2番目に歴史の古い松屋。実は松屋では『牛丼』とは呼ばず『牛めし』と呼ぶのをご存じでしたか?実は吉野家との差別化を図って付けた名前だそうで、うっかり愛社精神の強い店長さんの前で「牛丼」なんて言うと、激しく訂正されてしまうので注意してください(経験済)


私が初めて松屋を訪れたのも20年くらい前。その時は「吉野家によく似た店」くらいの認識で、味も「吉野家と比べてちょっと甘い感じの味付け?」程度のイメージしかありませんでした。ですが、松屋の進化はそこから数年で一気に飛躍して、その味の虜になってしまった私は、社会人一年目を松屋正社員として始めるまでにいたってしまったのでした・・・(事実)

松屋の出店店舗

吉野家と同じく、ビルドイン店舗(テナント型)が多い傾向があります。近年はロードサイド店舗(道路沿い)の店舗の増え、テーブル席のあるファミリー層向けたテナントも多くあります。

松屋のメニュー

  • 牛丼〇
  • カレー〇
  • ハンバーグ〇
  • からあげ×
  • うなぎ△(期間限定)
  • 焼き魚〇
  • 海鮮丼×
  • 麻婆豆腐△(一部店舗)
  • 鍋△(期間限定)
  • デザート×
  • お子様メニュー〇
  • お酒〇

実はハンバーグが常備メニューにあるのは松屋だけ。レトルトではなく店舗で焼き上げる本格的なハンバーグで、ボリュームもあって美味しいです。

松屋のお客様の傾向

松屋も基本男性客がメインですが、お昼時はOLさんも結構いらっしゃいます。またテーブル席のある店舗では、子供を連れて家族で食べにくる人たちもいて、幅広い層のお客様がきます。

松屋のコラボ企画

私が入社した20年前は「一切広告を出さない!」といった社風がありましたが、今ではテレビのバラエティ番組で取り上げられたりと大分変ってきたように思われます。「すみっコぐらし」「パウパトロール」とのコラボなどが長期的に開催され、対象がキッズメニューに限定されたりと、こちらは確実にファミリー層向けの企画ですね。

松屋の他社との比較

牛丼が主力商品ですが、実はカレーにも力を入れており、カレー専門店に引けを取らないと評判があります。ただ、力を入れた分、価格が当初の倍以上になってしまったので、昔ほど注文する人はいなくなってしまったように思われます(汗)月に1~2つ期間限定商品を出し、リピート客を飽きさせない対策も取っているように思われます。

すき家(株式会社 ゼンショーホールディングス)

すき家の牛丼

すき家は創業が1982年と実は私より年下と、牛丼屋では最年少の店舗です。ですが、店舗数は牛丼屋の中で1番多くその勢いのすさまじさを実感します。母体となる『株式会社 ゼンショーホールディングス』はすき家以外にも、回転すしの『はま寿司』、ファミリーレストランの『ビッグボーイ』パスタ専門店の『ジョリーパスタ』など幅広いジャンルの店舗を展開しています。

すき家のメニュー

  • 牛丼〇
  • カレー〇
  • 焼肉〇
  • ハンバーグ×
  • からあげ×
  • うなぎ△(期間限定)
  • 焼き魚〇
  • 海鮮丼〇
  • 麻婆豆腐×
  • 鍋△(期間限定)
  • デザート〇
  • お子様メニュー〇
  • お酒〇

牛丼屋唯一の『海鮮丼』が常備メニューになっているすき家。回転ずし『はま寿司』をもつゼンショーグループだから実現できているのでしょう。期間限定の『中華丼』も具材が多くて美味しいです。すき家の鰻(うなぎ)メニューも期間限定ですが、松屋よりも長い期間販売する傾向があるようです。

すき家の出店店舗

すき家はロードサイド店舗(道路沿い)の店舗が多い傾向があります。牛丼店舗数は3社の中で一位なのですが、実はビルトイン店舗よりも面積の必要なロードサイド店が多いです。私は山梨県出身なのですが、確かに実家に帰る途中すき家を何件も見ます(山梨は広い道路の多い地域なので、すき家の出店が多いそうです)実は初めて行った牛丼屋がすき家でした。その時は牛丼屋だって知らずに中華丼を食べてしまった記憶があります(中華丼も大好き)

すき家のお客様の傾向

ファミリー層向けの商品が多いですが、それでもやはり平日は男性客が多いです。あと主婦層がよくお弁当を買いにくるのを見かけます。

すき家のコラボ企画

『鬼滅の刃』『Fate/stye night』『ソードアートオンライン』『進撃の巨人』『艦隊これくしょん』『アイドルマスター』などサブカルチャー好き向けのコラボ企画が多い傾向があります。期間中はアニメ好きの人は必ず行ってしまいますね(私もですが)また、キッズメニュー対象に『クレヨンしんちゃん』『ちいかわ』のコラボは、定期的に行われているようです。

すき家の他社との比較

すき家の特長は、なんと言っても幅広いジャンルのメニューだと思います。母体が家族向けのファミリーレストランを展開するゼンショーグループだからこそできる芸当だと思います。ただ、牛丼屋での仕事経験者としては、このメニュー数と店舗の広さを、牛丼屋のシフト(2~3人)で回すのはちょっと無理があるんじゃないかと感じたのですが、その分時間のかかりそうな定食メニューを少なくしているので、そのあたりで調整を図っているのだと推測しています。

牛丼屋の特長まとめ

この記事では、吉野家、松屋、すき家の特長をそれぞれ紹介しましたが、どの牛丼屋も異なる強みを持ってるのがおわかりになりましたでしょうか?吉野家は歴史と伝統を大切にし、中高年層に人気の安定感ある牛丼店、松屋は幅広いメニュー展開とファミリー層にも対応できる環境が魅力、すき家は豊富なメニューとロードサイド店舗でのファミリー層やサブカルファンにもアピールなどなど。

また、牛丼以外のメニューが各社違う理由など、新しい発見があったのではないでしょうか。牛丼の味も、各社それぞれ異なりますので、食べ比べてみるのも面白いかもしれませんね。あなたはどの牛丼屋で働いてみたいと思いましたか?次回は『牛丼屋の接客』をお話します。

(C)たけだおうし / USHIYA
オリジナルWeb漫画『牛屋の店長!』